ToDoリストが、続きませんでした。
やる気がないわけでもないし、最初の3日間くらいは頑張ってみる。
でも、いざ目の前にすると、なぜか手が動かない。
だんだんタスクアプリを開くのもめんどくさくなる。
「発表資料を作る」
「資格勉強する」
「旅行の計画を立てる」
「論文を書く」
「アプリを作る」
こういうタスクを見たときに、頭では必要だと分かっているのに、なんか重い。
たぶん理由は、怖いからです。
終わりが見えない。
どこから手をつければいいのか分からない。
結果として、後回しになる。
自分はずっと、これは意志の問題なのかなと思っていました。
自分の集中力がないとか、怠けているとか、タスク管理が下手だとか。
これ、同じように感じたことがある人もいると思います。
でも、だんだん少し違う気がしてきました。
問題は、意志というより、タスクが大きすぎることなんじゃないかと。
タスクが重いのは、まだ形が大きすぎるから
このことを強く感じたのが、いろんなことが同時に重なった時期でした。
一番やるべきなのは学会の準備でした。発表資料を作ったり、論文のことを考えたりしないといけない。
でも、その傍らで個人開発も進めたい。
さらに、初めてのヨーロッパ旅行の予定も立てないといけない。
筋トレや英語の勉強みたいな趣味も、全部やめるのではなく、細くても続けたいと思っていました。
学会。開発。ヨーロッパ旅行。趣味。
こうやって並べると、どれも大きい。
「学会の準備をする」
「アプリを作る」
「ヨーロッパ旅行の計画を立てる」
「英語を勉強する」
ToDoリストに並べても、結局何をすればいいのか分かりませんでした。
特に分かりやすかったのが、ヨーロッパ旅行です。
「ヨーロッパ旅行の計画を立てる」と言っても、実際には航空券やホテルの予約がある。都市間の移動を調べる。保険に入る。持ち物を準備する。現地で何をするかも考える。
一つのタスクに見えて、全然一つではありませんでした。
だからといって、全部を細かいToDoにして一列に並べると、今度は量が多すぎる。
学会の細かいタスク。開発の細かいタスク。旅行の細かいタスク。日常で続けたいこと。
全部が同じ場所に並ぶと、何のためのタスクなのかも分かりにくくなるし、単純に文字の量だけで疲れます。
大きすぎると、何をすればいいか分からない。
細かくして全部並べると、今度は多すぎてパンクする。
そこで、タスクをただ細かくするのではなく、構造で考えた方がいいんじゃないかと思いました。
タスクを構造で捉える
たとえば、ヨーロッパ旅行なら、まず「ホテル」「観光地予約」「移動」みたいに分ける。
さらに「ホテル」の中には国や都市ごとの宿泊先があるし、「移動」の中には航空券や現地移動がある。
大きいものを分けて、その中をさらに分ける。
普段は「ホテル」や「移動」というまとまりで見ればいい。いざ動くときだけ、その下にある「フランス1泊目のホテルを決める」「航空券を調査する」みたいな最後の粒度を見る。
頭の中では、こんな感じで枝分かれさせて考えていました。
学会も、開発も同じでした。
大きなものをそのまま抱えない。
かといって、細かい作業を全部同じ場所に並べない。
必要なときに、必要な抽象度で考える。
そうやって構造で捉えると、少しだけ頭の中が整理されました。
中学時代の先生が「困難は分割せよ」と言っていたのを、途中で思い出しました。そのときはそこまで深く考えていなかったけど、今になってかなり効いてきました。
タスクが重いのは、自分が弱いからではなく、まだ大きすぎるからかもしれない。
だったら必要なのは、気合いを入れることではなく、まず掴める形まで分けることなんじゃないかと思いました。
ただ、問題は分けたものをどう扱うかでした。
文字だけの管理はしんどかった
分解すると、タスクは小さくなります。
でも、それを普通のToDoリストに並べると、今度は文字が増えます。
学会
開発
旅行
趣味
それぞれを細かくしたタスクが、画面の中にずらっと並ぶ。
これはこれでしんどい。
ToDoリストは便利です。
でも、自分にはどうしても、文字が縦に並んでいるだけの画面が合いませんでした。
画面が小さい。
文字ばかりで、脳が疲れる。
どんな種類のタスクかが分かりにくい。
どれが今やることなのか、ぱっと見で掴みにくい。
もっと楽に扱いたいと思いました。
タスクを、ただの文字列ではなく、もう少し「もの」として扱いたかった。
そこで使い始めたのが、リアルのホワイトボードと付箋でした。
付箋とホワイトボードで、タスクを「もの」として扱うようになった
ホワイトボードに線を引いて、そこに付箋を貼る。
これが、思ったよりよかったです。
タスクが紙になる。
手で動かせる。
場所を変えられる。
終わったら剥がせる。
たったそれだけなのに、文字だけのToDoリストよりも、少しだけ頭が楽になりました。
タスクを読むというより、見る。
管理するというより、置く。
この感覚が自分には合っていました。
緊急×重要のマトリクスに置くと、今やることが少し見えた
ホワイトボードには、緊急度と重要度のマトリクスを書いていました。
緊急で、重要なこと。
緊急ではないけど、重要なこと。
緊急だけど、そこまで重要ではないこと。
どちらでもないこと。
タスクを小さく分けても、今度は「結局どれからやればいいのか」という問題が残ります。
そこで、分けたタスクをマトリクスの上に置いてみました。
この考え方自体は有名かもしれませんが、自分の中では、元GS田中渓さんの話をPIVOTで聞いたことも大きかったです。
このあたりはまた別で書きたいのですが、特に「緊急ではないけど重要なことをやる」という話は大事にしたいなと感じました。
タスクを分けて、盤面に置く。
全部を同じToDoとして並べるよりも、「今どこに力を使うか」が少しだけ見えやすくなりました。
終わったタスクは、捨てるより積みたかった
もう一つ、意外と大事だったのが、終わったタスクの扱いです。
普通のToDoリストだと、終わったタスクはチェックされるか、消えることが多いです。
もちろん、それで十分な人もいると思います。
でも自分の場合、終わったものがすぐ消えると、少し物足りなかった。
せっかくやったのに、画面からなくなる。
積み上がっている感じがしない。
自分が進んだ証拠が残らない。
タスクは、ただ消費するものではなくて、蓄積するものとして扱いたいと思いました。
終わった付箋をすぐ捨てずに、まとめて取っておく。
小さいタスクが一枚ずつ積まれていく。
それを見ると、「今日はこれだけやった」という感じが残る。
大きいタスクを小さく分ければ、小さい行動をたくさん積める。すると、短いサイクルで「やった」という感覚も得られる。
自分はかなり短期報酬に弱いタイプなので、このやり方は結構合っていました。
でも、分解・配置・蓄積がバラバラだった
ただ、リアルのホワイトボードにも限界がありました。
付箋を貼るのは気持ちいい。
マトリクスに置くのも分かりやすい。
完了したものを残すのもいい。
でも、構造を扱うのが難しかった。
タスクを分解しようと、ノートにロジックツリーを書く。
そこからタスクを抜き出して、付箋に書く。
それをホワイトボードに貼る。
終わったら別で残す。
だんだん管理する場所が散らばってきました。
分解する場所。
今やることを置く場所。
終わったものを残す場所。
本当はこれらはつながっていてほしい。
ロジックツリーで分解したものが、そのままタスクになってほしい。
そのタスクを盤面に置きたい。
終わったら消えずに積みたい。
そう考えると、リアルのホワイトボードだけでは足りませんでした。
だから、きざむを作った
そんな思いから、きざむを作りました。
きざむは、重いタスクを小さな付箋に分けて、盤面に置き、終わったら剥がして積むためのタスクボードです。
やっていることはシンプルです。
分ける。
置く。
積む。
でも、自分にとってはこの3つがかなり大事でした。
タスクを文字だけで管理するのではなく、付箋のように扱う。
大きすぎるものは、構造として分解する。
今やるものは、盤面に置く。
終わったものは、消さずに積む。
アナログの良さを残しつつ、分解・配置・蓄積を一つの場所で扱えるようにしたかった。
それが、きざむを作った理由です。
このように、きざむは自分自身のタスク管理の悩みから生まれたアプリです。
ただ、公開してからは、シナリオの分岐やプロット作り、目標の整理など、自分が想定していなかった使い方でも利用してもらっています。
自分とは違う使い方を知るたびに、かなり面白いなと思っています。このあたりについては、また今度。
これから書いていきたいこと
これからのnoteでは、きざむを作る中で考えたことを少しずつ書いていこうと思っています。
機能を紹介するだけではなく、「なぜこうしたのか」を考えながら、その機能が生まれるまでにあった違和感や考えを書いていきたいです。
そして、公開してから知った、自分では想定していなかった使い方についても。